スレイマンの表情がこわばった。 確かにドームは捕りものには最適な場所だった。放射状に設計された建屋の中央に 位置する広い空間に高価なものは人工子宮体カプセルしかないし、そのカプセルの外 殻は透明部分でも軽火器くらいなら軽く耐える。女の子一人を捕らえるだけなら、こ こに追い込むのが適切な判断だといえた。 確かに常識的な判断だった。女の子一人を捕らえるだけなら。そして前回と同様に、 ドームに彼女をおいこんだ。 前回はショックガンを撃ちこんであっさりと殺した。前回と同様の結末も、もっと エレガントな捕獲も簡単に選択できるようにみえた。追い詰められた/aの表情が、モ ニタに大写しになっている。 しかし前回と同様には展開しない。/aの深みのある群青色の瞳の片方が、赤く変色 したようにみえた。 やるべきことは多く、時間はかぎられていた。まずシステムに侵入し、ルータを切 断した。次にスレイブサーバとマスタサーバを殺す。データの退避をしている時間は なかったから、サーバを迂回してコントロールシステムに侵入して強制的にサーバの 電源供給を切断した。もちろん雇われ者の彼に本来そんな権限はなかったが、システ ム管理権限はとうのむかしにハッキングしてあった。 これでサブネット間の通信は一時的に不可能になる。警備システムや生命維持シス テムなどは単体だけでも可能な限りの恒常性を維持できるシステムになっていたから、 サーバが復旧するまでのデータが失われる以上に被害が拡大する心配はない。突然接 続の落ちたラインに、オペレータ達がとまどった顔をした。 さすがに星中博士の状況把握ははやく、スレイマンにとがめるような視線を送る。 無視して作業を続行しようとしたところで、星中博士が席をたち、こちらをのぞきこ んできた。オペレータに聞こえないように声を抑えている。 「何をなさっているんです……あの子を逃がすためとはいえ、これだけやってしま うと、あなたの立場が悪くなりませんか」 「そういう目的じゃない」ため息をついて答える。「この事態を防げなかったのは 私の責任だといっていいと思う……再帰干渉だよ」 通常照明が消え、非常用の赤い光が星中博士の顔を照らした。無機質なエラーメッ セージをくりかえすモニターをみつけるその顔に、はっきりとした恐怖の表情がうか んでいた。 「そうだ。模倣型の人工知能を堅固にネットワークすると、往々にしてこいつが起 こる。双子とデータ交換してるうちに存在への疑問を感じてそのまま自我の崩壊をま ねくんだ。たいていの場合はネットワークじゅうに触手かましてノイマン機まで道連 れにしてくれる。この場合は/aのテレパスでこれが発現したんだな。あのままサーバ を殺さなかったら、ほとんどの記録領域が破壊されていたと思う。パルティータはそ れだけのことができる性能をもっているからな」 「だとしたら……あそこにいた人は……あ、スレイマン博士、どこへいかれるんで す」 「お葬式だよ」彼の顔から表情をよみとるのはむづかしかったが、少なくとも、明 るい表情ではなかった。つまりは、機嫌が悪いということだ。「パルティータ計画は 実証計画段階で挫折した。少なく見積もっても二桁の人間が死に、多分その中の相当 数はパルティータだ。我々がみとってやらなくて、どうする」 それだけ言って、スレイマンはさっさと制御室をでていった。星中博士も後を追お うとして、ふっとふりかえって部屋の状況をみた。後悔した。楽しくて仕方がないと いった表情のストライヤーと、もろに目をあわせてしまったのだ。 −スレイマン博士といい……こういうことをずっと続けていくと、何かおかしくな っていくのだろうか。 そうも思った。これが終わったら、絶対に理論科学に戻ろうと思った。戻れるかは 疑問だったが。 ・ 気持ちがわるかった。すごくわるかった。 さっきのような気持ちになったことは前にもあったような気がしたけど、あのとき よりずっとずっとわるかった。 でも何があったのかはよくわからなかった。兵隊においかけられちゃって、すごく こわくて、それでウデリウムの妹のひとり−たぶんユミコだったとおもう−のかおが みえたとき、光がみえた。 そのときのことは、あんまりよくおぼえてない。きゅうに体がうごかなくなって、 やわらかいようなかたいような、ねばねばしたいきものみたいなものにまとわりつか れたような感じになった。たくさんまとわりついてきて、体のなかにはいってきた。 ウデリウムの肺水除去機もむりやり口からからだの奥にはいってきていやだったけど、 あれよりずっときもちわるかった。あれは口にしかはいってこないけど、体じゅうか らはいってきたんだもの。 なんだかあたしがあたしでなくなっちゃったみたいで、泣きたいような気持ちにな った。あたしにはいってきたものはあたしの頭のなかや舌のおくやむねやおなかでか たまって、たくさんの光になった。手も光ってたかもしれない。 いろいろなものがみえたようなきがする。つるつるなような感じもしたし、すごく ややこしくてぶかっこうな気もした。そのころになって、その光のひとつひとつが、 いのちだってことに気がついた。 でも、その光のかたまりは、きゅうにふらついて、それからきえていった。はいっ てきたときはあんなにいやだったんだけど、きえていくのを感じるととてもいとおし くて、すごく悲しかったことをおぼえてる。 きがついたときには、まっくらななかで、ひとりでたっていた。あかりがみんな消 えていたけど、とにかくにげなくちゃと思ったから、こっちだろうと思ったところに 歩きだして、何かにつまづいてころんだ。おもいっきりはなをぶっつけて、もう本当 に泣いちゃおうかと思った。 でもここで泣いちゃうわけにもいかなかったから、がまんしてたちあがろうとした。 手をついたら、右手がなんだか水みたいなものにさわった。ウデリウムの肺水みたい な、すこしねばねばしたてざわりだった。なんだろうと思ったところで、光をあてら れた。まぶしくて、顔に手をかざした。右手は、あかぐろくそまっていた。 あたしは、妹の死体につまづいてた。右手がついたのは、ぐしゃぐしゃにつぶれた 妹のあたまから流れた血だったんだ。 ・ システムが回復しつつあったから、ウデリウムドームに到着するまえに、ある程度 の状況はわかってきていた。生きているものがあるのは驚きだった。スレイマンは歩 きながら器用にポータブル端末を扱い、カプセル内で生き延びていたものの恒常性を 確保させる。ルータが回復し次第、ダイナソアとの連絡を確保して情報収拾にあたら せるように命令した。 到着して、さらに驚いた。生き残っていたうちの一人は、すでに意識を回復してい るようだったからだ。情報中心となった/aだった。複合再帰干渉時には情報中心に最 大の負荷がかかる。/aが生き残っているということは、現状ですでに思考能力が通常 の人間の数倍以上のものになっているということを意味するのだ。 「アテッサか……生きていたのか」星中博士が、安堵したようにつぶやいた。 「……おとうさん、おかあさん……」/aは血まみれの手をこちらに延ばす。「クリ スが、しにました。ユミコも、フェアリィも……やっぱり……あたしがころしたんで すか」 拝借してきたライトの光に照らしだされた/aは、あまりにも幼く、ちいさくみえた。 彼女のなしたことにくらべると、震えるその姿はむしろ奇妙なくらいだった。 実際、彼女の能力は当時の世界を変えうるものだった。つまり「知能」そのものに 反応する彼女の能力は、艦船の静粛性が欠けるために空間戦闘において常にODFの 後塵を拝してきた国連宇宙軍にとっては何をおいても重要なものだったということだ。 この能力を安定供給することができ、これによって艦隊戦闘が長距離戦中心にかわれ ば、大口径主砲をもつ国連宇宙軍艦艇とレーザーによる精密照準を想定したODF艦 の優劣がまったく逆転してしまう可能性すらあったのだ。それは太陽系の軍事バラン スが劇的に変化するということにもなる。よしんば同等の艦数をそろえることができ なかったとしても、比較的少数の艦艇で通商破壊をおこなうだけでオストワルド機構 の都市群は孤立し、第二次世界大戦時の日本の悲惨をなぞるだろう。 しかし、いかに処理能力だけでも人の数倍を誇る最高性能の人工生体であっても、 ウデリウムからはなれて一月もたたないこの時点ではただの少女でしかなかった。そ れも思春期に入りかかったかという不安定な精神年齢の。 星中博士は彼女の血にそまってしまった手をとってやろうとした。スレイマンの動 作があまりにも自然だったから、すぐ近くにいた彼の動作に気がつかなかった。 スレイマンはジャケットの内側から取り出した鈍く輝く金属塊を右手に握って、左 手で軽く操作した。それから右手をのばして、無造作に引き金を引いた。 ・ −コルト・ガバメント? それは映画でみた大昔の拳銃に似ていた。星中博士の記憶がただしければ、制式採 用は一世紀半も昔だったはずだ。もっと小型で強力なサイドアームはいくらでもあっ たが、この種の拳銃を愛用している者は、今でも以外と多い。もっとも、彼女の記憶 にあったそれより、スレイマンの手に握られているものはいくぶん小さいようにみえ た。多数あるコピーモデルかとも思った。確かここで銃をもてるのは警備兵などの軍 人だけだったはずだが、とも思った。 しばらくは、事態が把握できずにそんなことを考えていた。恐ろしく大きい銃声が、 思考を麻痺させていたのかもしれない。実際、世界が凍りついたようだった。  さいわい銃弾は/aに当たらなかった。彼女の左わずか後ろで、火花をちらして闇に 消えた。 スレイマンはわずかに銃口をさげた。のばした右手に星中博士がとりつこうとした が、あっさりと身をかわされた。星中博士が体勢を戻そうとして見上げても、スレイ マンは何もなかったように/aに銃口を向けていた。 「おと…うさん?」 「君は、もう私の子じゃない」 星中博士がはっとしたようにスレイマンを見上げた。/aは迷子になったのに改め て気がついた幼児のような顔をして、それから顔をぐしゃぐしゃにして泣きだした。 「あたしが、こんなことしたからですか。妹を殺したからおこってるんですか。ご めんなさい。でも、しかたなかったんだもの。だって、でも」 「君が悪いことをしたとは思っていない。むしろ正直にいえば、君が生きていてく れたことは嬉しいがね」拳銃を握る手をわずかに緩める。何気ないしぐさだが、重要 な意味をもっていた。コルトM1911系の拳銃はグリップセフティを持っており、 保持する手の力をゆるめることで安全装置がかかるからだ。 「それでももう君を抱いてやるわけにはいかんのだよ。君が脱走したという建前だ から、我々は阻止してみせにゃならん。残ったこの子たちを守ってもやらんきゃいか んしな」 「おとうさん…」ほんの少しだけ、/aは安堵したような顔になった。もっとも表情 には依然、混乱と不安のほうが強かった。 「月へ行け。月まで行って、オストワルド機構軍に保護をもとめるんだ。パルティ ータ・シリーズは立派に遺伝子汚染防止条約違反だから、オストワルド機構軍だって 黙っちゃいない。アレキサンドル・ニコライエフときさらぎが地球圏に駐留している 今、査察をこばめばとんでもないことになりかねないし。すまんな、我々にしてやれ るのはここまでだ」 涙にぬれた大きな瞳をあげて、/aはスレイマンをみつめる。のろのろと立ち上がろ うとした。 「行け!」ほんの少しの間だけ見つめあってから、スレイマンが声を発した。少女 はまばたきを一度して、それから身をひるがしてドームから消えた。 走り去る背中をしばらく見つめてから、スレイマンは腰に拳銃をもどした。左腰の ベルトの内側に小さなホルスターをつけて、そこに吊っているようだった。外からは ほとんど、拳銃を所持しているとはわからない。かすかな声でわびた。 「すまんな……私には、ここまでしかしてやれないんだ」」 それから星中博士に手を貸してやる。「君にもすまないことをしてしまった、星中 博士。まさか/aが生き延びているとも思わなかったからね。君を巻き込むつもりはな かったんだが、結果としてはこの通りだ。少し秘密を共有してもらう必要ができてし まった」 「……! 冗談じゃないです」星中博士も女性としては長身だったが、それでもスレ イマンの肩までしかなかった。学者にしては体がしまっている、とも思った。すこし 上目づかいで続ける。 「冗談じゃないです。危うくあなたを誤解してしまうところだったじゃないですか。 私だってあの子の親なんです。みんな抱えこまないで、相談してくれれば……」言葉 はそこで止まった。ドームのゲートに人影があったからだ。暗くてよく分からなかっ たが、その人物がいつもの笑い顔をうかべているのは、想像がついた。 「ストライヤーか……どこまで聞い……いや、いつからそこにいた」 「相変わらずですなぁ。初めてお会いしたときから、いきなり嫌われてしまってい るんですかね。ストライヤーさんと呼んでくださいといつも言っていますのに」 通常照明が回復する。ストライヤーはドーム内に歩み入り、警備員とパルティータ の死体に目をやってからかがみこんでスレイマンが放った弾痕をなでた。 「ひどいものですな……まぁ、パルティータの能力の劇的な証明ではありますか。 何しろ実験体の半数を殺された挙げ句、機密施設からの逃亡を許してしまったのです からな。しかもご両親ともいうべきあなたがたが発砲までしても、彼女をとめること ができなかった。いやはや、開発主任の私としては、喜んでいいのか、悲しむべきな のか……」 スレイマンは横目で星中博士を盗み見た。もちろん星中博士にも状況は読めなかっ たから、わずかに肩をすくめてみせるしかなかった。この人も一人前に困った顔がで きるんだなとも、ついでに思った。もっとも、すこしやわらいだ気持ちも次の言葉で 吹き飛んだ。 「しかし困りましたね……/aには逃げられてしまいましたか。センサユニットもな い状態となると、あなたがたに協力していただくしかありませんな。パルティータ残 存機をまとめて討伐隊を組むことにするのが最善ですか。教育の方、よろしくお願い しますよ、おふたがた」 星中博士はこおりついたようになって、今度は星中博士がスレイマンのほうをのぞ きみた。スレイマンは無表情にもどっていた。しかし今の星中博士には、その能面の ような表情が激しい感情の揺らぎの証であることだけは、わかっていた。 それ以外のことは、何もわからなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 補足1.背景 長々と書いてしまいました。ダウンされた方、これの発表に関しておせわになった 方、ほんとにもうしわけないです。六角転送機さんの話をいじったような形になりま すか、かなりの相違点がありますので一応補足してみます。 時期は2072年。場所は地球、国連安保理宇宙軍先端技術研究所人工知能部門と なります。国連宇宙軍(以下UNSF)は木星軌道に首都コロニーを持つオストワル ド機構(以下ODF)と2068年に第一次太陽系戦争を戦っています。パルティー タがなぜUNSFに重大な価値をもつかを説明するまえに、少し状況について説明し ます。 この時期の主力兵器は(特に駆逐艦以上の)戦闘艦でした。攻撃機レベルのものに 戦艦を撃沈できるだけの打撃力を持たせることが困難だったからです。ODFがF− 32A戦闘機を開発するまで、大艦巨砲主義は拡大しつづけていたのです。 UNSFはこの第一次太陽系戦争を大型で高加速力をもつ艦船でのりきろうとしま した。高い加速力で乱数加速をくりかえせばレーザー射撃は当たらないから、その上 で巨大な「散弾」を放つことで相手を包み込み、破壊しようというものです。従って UNSF艦船は巨大な砲とエンジンに力を入れ、静粛性やセンシング性能は二の次に されていました。 ODF艦艇は逆にまず静粛性、次にセンシング性能、加速力、最後に武装というス タイルでした。ほとんど「散弾」収束電磁砲砲艦をもたず、最大級でもレーザー砲の みの艦艇を建造したのです。さらに前述の通り打撃力にはならないF−32戦闘機を 月面駐留艦隊に配備しました。艦隊戦闘の結果は、UNSFの惨敗でした。F−32 戦闘機およびやはり小型のパウク級コルベットを立体的に展開し、国連宇宙軍戦艦群 の位置を通報させたのちに戦艦の砲撃力でハンターキラー作戦を行うODFに、まっ たく手がでなかったのです。 しかしUNSFが通商破壊戦に移行したこと、ODFが大気圏侵攻作戦用艦艇をあ まりもっていなかったこと、さらに大気圏侵攻ができるわずか二隻の戦艦のうちの一 隻(CBC−01ビスマルク)が撃沈されたことで、第一次太陽系戦争自体は不完全 燃焼のままに講和となりました。 この講和に際してのODF側の条件が、遺伝子保護条約、遺伝子汚染防止条約、そ れに数隻の艦艇の大気圏駐留権の保持でした。遺伝子保護条約は年指定数種の生物を 月の高重力特区に輸出するというもの、遺伝子汚染防止条約は人間改造の人工生体の クローンは10体以上生産しないという条約です。パルティータのクローン数は御存 知の通りなので、これは明らかに違反になります。本文中にでてくるアレキサンドル・ ニコライエフときさらぎというのが最後の条件で駐留しているODFの強襲揚陸艦で す。NAGIさんとは無関係(失礼)。 さて、情報系が劣るUNSF艦艇にパルティータを積んだらどうなるでしょう。強 力なセンシング妨害能力と発見能力、人間を越える処理能力によって、UNSF艦艇 の能力は飛躍的に上がります。艦艇どうしの戦闘距離は長いものとなり、逆に大型火 器をもつUNSF兵器にODFはまったく歯がたたない、というものにすらなってし まうかもしれません。そして戦艦というのは、一軍にせいぜい二桁隻いくかいかない か程度の数しかありませんから、数十体つくって数体が実用、程度の歩留りでも(そ れゆえ高価でも)充分モトはとれます。現状のパルティータの超能力はせいぜい数万 キロ程度の距離でしか使えていないですが(宇宙空間では別にめちゃくちゃ遠くはな い)個体寿命を犠牲にすればまだまだ改善の道はあるし……とにかく、そんな状況で す。 2.キャラクター 個人的趣味で六角転送機さんのストーリーと少しキャラクタがかわっています。こ れについて記述します。 パルティータ:大体は六角転送機さんの設定に準じますが、調整期間などが異なっ ています。また、六角転送機さん版がどうもプラスミドのような核外遺伝子によって その能力を保持しているようにみえるのに対し、自分の版は逆転写酵素をもつレトロ ウイルスを使って核内の遺伝子そのものを変化させています。 ATL系のウイルスを改造して使っているのかな、と考えています。当然こんなも ん移植した暁には勝手にガン化して母体が死んでしまうことだってありえますが、ま ぁ最初っから人権無視だしいいんじゃないかな。自分は生物はよく知らないのでてけ とー。 あと、オーパーツ中のセットを使い分けることによって、念動力系(パルティータ・ サイコキノ)や精神系(パルティータ・テレパス)や全般系(パルティータ・オール ラウンド)を作ることが可能です。前二つはまぁいいとして、オールラウンド型は両 方使えますが個々の能力は前二つより弱いです(死亡率も高いし負担がおおきいので 寿命も短い)。アテッサはオールラウンド型です。サイコキノは再帰干渉の時に精神 ブロックで身を守れなかったため死亡率が高く、3体しか生き残っていません。アテ ッサ追撃戦闘で全滅します。 彼女たちはカプセル内部で脳に直接アクセスすることで、知識を持った状態で生ま れてきました。また、情操教育も行う必要があり、これを行うのがスレイマン博士で す。彼は人工知能の研究を中心に行っていますが、パルティータを人と思わないスト ライヤーの抜擢のようですね。またパルティータがスレイマンを父と慕うのはこのた めです。ストライヤーが鷹揚たる人物となってしまい、どうでもいいことは職場の人 間の感情を優先したため、首筋の刻印はありません。 ジョゼフ・スレイマン:新キャラクタ。こいつの誕生は非常にマヌケで、自分が星 那香博士を「女」だとかんちがいしたことにあります(何やえらいヒステリー性の女 やなーとか思ってた)。従って色恋沙汰を展開するために、こいつが生まれました。 29才の博士です。学校は一年スキップしています。博士論文は学会に衝撃を与え るものでしたが、その後ほとんど論文を発表していません。 何だかただのおこりんぼおやじみたいですが、実はそのとおりです。彼の精神は2 068年12月8日の月の空域でおこった事件、「第一の悲劇」で壊れてしまってい るからです。まぁこいつの過去については、4話あたりでだんだん明らかになってく るでしょう、そこまで続けば。  あ、ちなみにこいつの持っている銃ですが、コルトガバメントのコピーモデルの一 種、デトニクスといいます。素人目にいきなり見せられたらわかりづらいと思います が、ホンモノよりかなり小さいです。彼はズボンにインサイドホルスターを吊って、 そこにねじこんでます。剣呑ですね。 ・ 星中博士:性転換して女になりました。そういうわけで六角転送機さんの話の最初 の最初、男が、というのをよみとばしたせいです。名前もちょっと変えてますね。 32才、長髪と切れ長の瞳が魅力的な知的な女性です。スレイマンがおこりんぼな ので、この人はすごく物腰柔らかな女性になってしまいました。パルティータシリー ズには母と慕われていますが、恋愛経験はちょっとおくてな方なようです。誰かに似 てるような気がしても気のせいです。髪ウェーブかかってるし、年齢も違うし。 女A:名前はずばり「エレノア・ジェンセン」希望。もっとも星中博士が性転換し たことによりご栄転。でてきません。 ストライヤー:国連宇宙軍先端技術研究所人工知能部門所長。六角さん版と違いハ ゲの大男でミョーに人当たりがよかったりする。ちなみに人を人と思ってないのでは なく、人の命の重みなどを認識しつつ平気で蹂躪しているという、六角さん版に輪を かけて困ったちゃんなキャラクターです。こいつも何考えてるのかいまいちよくわか らない。 ダイナソア:スレイマンが前の仕事で手掛けた人工知能型コンピュータ。ODF戦 艦大和型に対抗した戦艦開発プラン「ダイナソア計画」の中枢となるべく開発されま した。 開発計画は三段階からなり、第一段階で中枢コンピュータ「ダイナソア」の開発と 小型艇「ダイナソアI」への搭載、第二段階で巡洋艦サイズの艦「ダイナソアII」へ の搭載と装備品の評価、第三段階で大和型以上の戦艦の建造ということになります。 計画、中枢のコンピュータがすべて同じ名前なのでややこしくてしょうがないですが 設定しちゃったんでしょーがないです。ごめんなさい。 この時点で計画は第二段階にまですすんでおり、ダイナソアIIにコンピュータを移 植する際に情動系をかなり削ったことをスレイマンは根にもっているようです。コン ピュータは軌道上で待機しているときや余暇時間は、ときどきスレイマンの補佐をし ています(スレイマンがパルティータ教育を引き受けるときの条件)。パルティータ の情動系のピンチに介入したこともあります。 ながながと書いてしまいました。感想とかいただけたらすごく嬉しいです。